先月公表された、新しい基準による中学校の教科書の検定で、「政府の統一的な見解に基づいた記述がない」などの意見で一部の記述が修正されたことについて、教育学など3つの学会の会長が声明を発表し、「教科書がそのときどきの政府の見解に左右されてはならない」として、検定基準の見直しを求めました。 これについて、大学の研究者などで作る日本教育学会と日本倫理学会、それに日本哲学会の3つの学会の会長が声明を発表し、文部科学省に提出しました。声明では、「教科書は児童や生徒がみずから考え判断する知性を育む教材であり、政府見解を浸透させる媒体ではない。そのときどきの政府の見解に左右されるようなことがあってはならない」などとして、検定基準の見直しを求めています。 日本教育学会会長で、共栄大学の藤田英典教授は「教科書に載せる内容は学術的に判断されるべきだ。今後検定が行われる高校の教科書で不当な介入が行われないか注視し