金属やガラスなどの素材を生かし、光を活用した抽象彫刻の作品で知られた彫刻家の多田美波さんが、今月20日、肺炎のため、東京都内の病院で亡くなりました。 89歳でした。 多田美波さんは大正13年、台湾で生まれ、今の女子美術大学を卒業したあと、立体造形に取り組み始めました。 金属やアクリル、陶板などの素材を使って彫刻やレリーフなどを制作し、光の反射を生かしたスケールの大きな作品で高い評価を受けました。 また、ガラスを使った光の造形作品を数多く手がけ、皇居の宮殿のシャンデリアや帝国ホテルロビーの壁面の作品などで知られています。 昭和58年に芸術選奨文部大臣賞を受賞、平成6年には勲四等宝冠章を受章しています。 多田さんは去年4月に完成した長崎市内のホテルに彫刻やレリーフを収めるなど、制作活動を続けてきましたが、1週間ほど前に体調を崩し、今月20日、東京都内の病院で亡くなったということです。