学者の立場から政策提言する国の特別機関「日本学術会議」の新会員候補6人の任命見送り問題を巡り、加藤勝信官房長官は2日の記者会見で、首相の任命権を定めた日本学術会議法について2018年に内閣府と内閣法制局が協議し「解釈を確認した」と明らかにした。確認した内容には触れなかったが、この時に任命拒否も認められるとの解釈に変更した可能性がある。(井上峻輔、木谷孝洋) 政府が法解釈の変更を公表せず、後に判明した最近の例は、検察庁法で禁じられていた検事の定年延長を安倍政権が今年1月に国家公務員法を根拠として認めたことが挙げられる。当時は官房長官だった菅義偉首相は「今回の解釈変更のような人事制度にかかわる事柄は、必ずしも周知の必要はないと考えている」と話していた。