世界の金融市場が動揺するきっかけとなったアメリカの銀行破綻からまもなく1か月。株式市場などは落ち着きを取り戻しているかのように見えますが、どうなのでしょう。ひそかに進行しているのではと、ニューヨークの市場関係者の間でささやかれているのが、住宅市場の冷え込みを伴う新たな銀行危機です。(アメリカ総局記者 江崎大輔) 不吉な感じ再びか ニューヨークに駐在する記者にとって毎朝、経済チャンネルCNBCを見るのと、経済紙ウォール・ストリート・ジャーナルを読むのは日課です。 ある日の朝、新聞の記事にふと目がいきました。 「住宅市場 西の価格下落、東の高騰」と題した記事。 東海岸の都市では不動産の価格が上昇を続けるものの、西海岸の都市では下落が目立つという記事でした。サンフランシスコ、サンノゼのことし1月の住宅価格は、前の年の同じ月と比べて軒並み10%を超える価格下落。 ふと不吉な予感がしました。 200