出版不況が続く中、文芸誌「GOAT」が異例のヒットを記録し、文学フリマには過去最多の来場者が集まっている。両者に共通するのは、「フェス的」な設計だ。ジャンルを越えて多様な人々によるキュレーションが醍醐味で、生活者に思いがけない出合いを与える場が今、強い支持を集めている。デジタル上で自分に最適化された情報が即座に得られる時代に、なぜアナログな「場」や「紙」を選ぶのか。 自分に合った商品、自分に合ったコンテンツーー。スマートフォンを開けば、過去に閲覧したWebページや「いいね」を押したSNSの投稿を基に、アルゴリズムが自分に最適化した情報を即座に提示してくれる。「パーソナライズ」という仕組みは、情報収集という観点では、極めてタイパ(タイムパフォーマンス)が良いと言えるだろう。 だが、効率的な半面、どこか物足りなさを覚える人も少なくない。自分に最適化された情報はノイズがない代わりに未知の発見も得

