公正取引委員会は5日、東京証券取引所グループと大阪証券取引所の経営統合を承認した。これを受け、東証は8月までに大証株の公開買い付け(TOB)を実施し、大証を子会社化する。さらに両社の臨時株主総会の承認を経て、来年1月に上場企業の時価総額で世界第3位(5月末時点)の取引所となる「日本取引所グループ」を発足させる予定だ。 今回の経営統合では、傘下の東証マザーズと大証ジャスダックが統合されると、国内の新興企業向けの市場でほぼ独占状態になることを、公取委が問題視する可能性があった。東証と大証は証券会社関係者ら第三者による諮問委員会で上場手数料などの承認を受ける考えを表明し、公取委も「競争を制限することにならない」と判断した。 東証と大証は昨年11月、日本の取引所の総力を結集し、世界の主要取引所に対抗するため、経営統合する方針を発表。今年1月に公取委に統合の審査を申請していた。【浜中慎哉】