新型コロナウイルス禍で公共交通の利用者が減った。リモートワークが増え、通勤や出張の足の公共交通から自動車への切り替えも多い。マイカー利用も感染回避ならば後ろめたさはなく、マイカーの利便性が改めて発見されることにもなった。感染が終息しても利用者数回復は難しそうだ。 回復の条件は、MaaS(マイカー利用を減らすために、マイカーと同等かそれ以上の魅力的な交通サービスを提供し、サステナブルな社会を構築してゆく概念)の時代にふさわしい輸送サービスの提供、少なくとも今の生活テンポに合ったスピーディーでスムーズな乗り降りができることだ。 都市鉄道線や地下鉄線、新交通線は最寄りの扉で乗降できる「全扉乗降」だからいいとして、問題は、「乗降扉指定」の路面電車と閑散線区のワンマン列車だ。 乗客は1列になって運賃箱に現金か切符を投入、ICカードをタッチするから停車時間が長く、乗車扉から降車扉への車内移動が必須であ