コラム連載【1984年の革命】vol.6 プリンス「ビートに抱かれて」いったい何がレヴォリューションだったのか 打ち込みをグルーヴィーに響かせた「ビートに抱かれて」 プリンスは、アルバム『パープル・レイン』とそこからのシングル「ビートに抱かれて」(When Doves Cry)で1984年のポップミュージックに革命を巻き起こした。いや、正確に言うと “1984年以降” のポップミュージックに革命を起こしたのだ。 前作『1999』以上にロックの導入を加速させ、もっと具体的に言うとニューウェイヴやハードロックのように、歪むエレクトリックギターを導入した音作りを行っている。一見アンバランスとも思える要素を融合することで、プリンスは圧倒的なオリジナリティを獲得した。 特に「ビートに抱かれて」では、それまでのブラックミュージックやダンスミュージックには必要不可欠だったベースを演奏から廃し、その代わり