東京千代田区・神田神保町は、約130軒の古本屋が立ち並ぶ世界最大級の古書街だ。扱う分野は古典籍からマンガまで多岐にわたり、それぞれが専門分野に特化している。街全体がさながら大きな図書館だ。その歴史をたどり、古本屋の魅力を探る。 神保町はいつから本の街になったのだろうか。 「明治になって、神田に大学ができたことが大きいですね」と言うのは、神保町・けやき書店店主の佐古田亮介さんだ。「明治10(1877)年、東京大学の前身が神田一ツ橋地区に創設され、以後、神田周辺は学習院、東京外国語大学、明治大学、専修大学などの発祥の地になりました。教科書や洋書など専門書籍の需要が急増し、洋古書店が増えていったことが始まりです」 佐古田亮介さん=東京古書会館で(©nippon.com) 佐古田さんは『東京古書組合百年史』(2021年)の編さん委員長を務めた。同書を基に、明治以降の神保町の歴史をたどる。 大火・大
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