「いつまでも価格競争を続けるわけにはいかない」 先月に開かれた日本スーパーマーケット協会の通常総会。その後に設立10周年を記念して行われたパネルディスカッションで、パネラーの1人がこう懸念を示した。特別ゲストとして招かれた日本チェーンストア協会の亀井淳会長(イトーヨーカ堂社長)である。 この連載でも指摘してきたように、昨年9月のリーマンショック後の需要蒸発という異常事態を受けて、小売り業者の多くが大幅な値下げや特売によって需要を喚起しようと躍起になっている。 そうした中、総合スーパー2強の1つであるイトーヨーカ堂の経営トップが価格競争に異議を唱えたことに対して、筆者は胸をなで下ろした。 事例で取り上げた企業の共通点 需要の急減に伴って消費が著しく低迷しているとはいえ、このまま値下げ競争を続けていくのは無理がある。利益を確保できずに業績を悪化させ、競合会社もろとも共倒れということにもなりかね