規格化で先行する米国 米国は、路車間通信と車車間通信において共通の無線通信規格を使用する予定である。 米国では、1990年に、5.9GHz帯をITSで用いることが決まっていた。これに合わせて標準化が進められてきた無線通信規格が「WAVE」である。WAVEは、物理層やMAC(Media Access Control)層など、下位層に当たるIEEE 802.11pと、それより上位の層に当たるIEEE 1609.xから構成される(図1)。IEEE 802.11pは、パソコンなどで広く利用されているWi-Fiをベースに、高速で移動する自動車でも利用できるよう、通信接続にかかる時間を短くすることを意図して策定された。 図1 WAVEの構成と標準規格(提供:ルネサス エレクトロニクス) 緑色の線で囲んだ部分がIEEE802.11p、紫色の線で囲んだ部分がIEEE1609.3、オレンジ色の線で囲んだ部分