通勤途中でいつも立ち寄るベローチェの店員さんたちはすごい。Lサイズのブレンドコーヒー210円の客なのに、まるで銀座あたりの馴染みのバーに来たみたいだ。こちらの好みがブラックで、レシートという紙ゴミは見るのもいやなくせに袋は手提げが欲しい、ということを覚えてくれている。 ベローチェに限らず、近頃の日本のサービス業では安かろう悪かろうの常識は通用しない。しばらく前から既にかなり腰が低くなっていたタクシーは、今や走るホテルのよう。スーパーサルーンなどのいい車を使った黒塗りが増えて乗り心地も快適になっている上、ワンメーターでもイヤな顔一つしないどころか執事並みに丁寧だ。先日は710円の料金に1000円札を出したら300円のお釣りをくれた上に、「十円玉が不足しているものですから申し訳ございません」と謝られてしまった。 安いのにVIP待遇。サービスの受け手としてはこたえられない。こたえられないから増長