金星の軌道に乗れなかった「あかつき」の失敗は、エンジンの故障に原因があったらしい。内部で異常な燃焼が起き、噴射口が壊れた可能性が強いという。むろん素人だから言えるのだが、何とか防げなかったものかと、今さらながら残念な気がしてならない。 ▼6年後に再び金星に接近したさいの再挑戦について、宇宙航空研究開発機構は「あきらめてもいないし、楽観もしていない」という。それなら孤独な旅を続ける「あかつき」の奮闘を祈るしかない。ただ心配なのはこの失敗で、宇宙への夢が冷え込むことだ。 ▼宇宙の謎について書いた話題の本『宇宙は何でできているのか』の著者で物理学者の村山斉氏はよく「こんなことを調べて何の役に立つのか」と聞かれる。恐らく研究費の相談に対してだろうが、文部科学省や財務省の人からも同じ質問を受ける。そう「あとがき」に書いている。 ▼「あかつき」の場合、地球の「兄弟星」と言われる金星の気象を調べるのが主