衆院選で歴史的勝利を収めた民主党のマニフェスト(政権公約)を改めて見直してみて、ある項目に目が留まった。少子化対策の一環として打ち出された不妊治療支援策だ。「不妊治療に関する情報提供、相談体制を強化するとともに、適応症と効果が明らかな治療には医療保険の適用を検討し、支援を拡充する」とある。引っかかりを感じたのは「適応症と効果が明らかな治療」の部分。不妊治療のどこまでに医療保険が適用されるのか、はっきりしないからだ。 知人に7年ほど不妊治療を続けた夫婦がいる。検査をしても夫にもその妻にも原因は見当たらない。人工授精、体外受精とあらゆる手段を講じたものの、成果は出なかった。体外受精には1回当たり数十万円かかり、費用は総額で数百万円に上ったという。助成制度はあるものの、とても賄いきれず、金銭面であきらめてしまう人が少なくないのはこのためだ。 民主党の支援策では、知人夫婦のように適応症もなく、効果