民主党政権への移行を控え、国の予算執行が相次ぎ凍結されはじめた。公共事業を中心に無駄遣いの徹底排除を公約に掲げる同党の強い意向を踏まえてのことで、影響は地方自治体の予算にも及んでいる。 日本経済はようやく最悪期を脱したとされるが、自律回復にはなお遠いのが実情である。国の対策に切れ目が生じることで、景気が再び腰折れするような事態だけは避けなければならない。 民主党は政権発足とともに、まずは今年度補正予算(14・7兆円)の大幅組み替えに着手する方針だ。しかし作業に手間取るようだと来年度予算編成にも深刻な遅れが出る恐れがある。新政権には景気に目配りした慎重かつ現実的な対応が求められる。 無駄な公共事業の象徴として民主党がやり玉にあげる群馬県の八ツ場(やんば)ダムも、今月予定の本体工事の入札が延期になった。利根川水系の吾妻川中流に位置する、この総事業費4600億円の巨大プロジェクトは、すでにダム周