【北京=矢板明夫】ハイチ大地震の救助活動で、中国政府はこれまでにない迅速な対応ぶりをみせている。一昨年5月に起きた四川大地震後、大災害における国際支援への国民の関心が高まっていることが背景にあるほか、国連の平和維持活動(PKO)に参加している中国の隊員ら8人が震災で行方不明となった事情がある。さらに、台湾と国交があるハイチを支援することで、中国が「大国の責任を果たしていること」を国際社会にアピールし、台湾を牽制(けんせい)する政治的な思惑もありそうだ。 中国軍の機関紙「解放軍報」によると、地震発生直後、北京郊外で訓練中だった中国国際救助チームは、出発命令を受けて直ちに空港に集結。兵士、医師、地震の専門家などで構成する第一陣約60人は、カナダのバンクーバー経由で地震発生から約33時間後、ハイチの首都ポルトープランスに到着、救助活動を開始した。中国チームの現地入りは、米国、アイスランド、プエル