「日常(にちじょう)の生活や社会生活の中で、日本人が一番大切にしていると言ってもいい考え方が、『けじめ』です。日本人は、小さい頃(ころ)から家庭(かてい)や学校で、『ちゃんとけじめをつけなさい』『けじめのある行動をしなさい』と『しつけられ』ます」。 ▼外国人の中上級日本語学習者を対象に、日本人の考え方を解説した『日本人の心がわかる日本語』(アスク出版)のなかの一節だ。著者の森田六朗さんは、北京で日本文化や剣道を教えている。 ▼もっとも、日本の政治にくわしい外国人は、首をかしげるかもしれない。ではなぜ、小沢一郎民主党元代表が、今も党内最大のグループを束ねる権力者でいられるのか、と。小沢氏といえば、多額の公金が含まれている旧政党が残した資金を、自らの政治資金にあてた疑惑など、数々の「政治とカネ」の問題を抱えている。それらについて、一切「けじめ」をつけてこなかった。 ▼そんな小沢氏に与えた衝撃は