平昌五輪は第3日の11日、強風でアルペンスキー・男子滑降が延期、スノーボード・女子スロープスタイル予選が中止になった。強行開催した競技でも、風に翻弄されて勝負技を繰り出せないなど影響が出ている。ただでさえ屋外競技場の気温が氷点下10度以下になる極寒五輪。アスリート・ファーストとはほど遠い環境に選手は悪戦苦闘している。(岡野祐己、奥山次郎、浜田慎太郎) 「もう信じられない。気持ちがひるんじゃう。『こんなの中止でしょう』と心の隅で文句を言いながら寒さに耐えていた」 8度目の五輪となる45歳の大ベテラン、葛西紀明が強風と寒さに思わず悲鳴を上げた。10日夜のジャンプ・男子個人ノーマルヒルは、時に秒速5メートルを超える強風で競技がたびたび中断。スタートゲート付近の選手は、スタッフに毛布でさすられたり、コートを身にまとったり。寒風に凍えながら順番を待った。 五輪金メダルを4個持つシモン・アマン(スイス