アサヒビールは、古紙や稲わらが原料のバイオエタノールの製造コストを約半分にする生産技術を開発した。将来の大幅なコスト削減の足がかりにし、トウモロコシなどを原料にしたバイオ燃料の増産が、食料高騰を引き起こす弊害の解消に役立てたい考えだ。 開発したのは、稲わらなど農作物の残りかすから、バイオエタノールの主成分である糖を生成する「酵素」の効率的な生産技術。焼酎に使うこうじ菌の培養研究を応用した。この技術を使うと、トウモロコシ原料の1リットル=70円前後には及ばないが、コストを従来の半分の同200円前後に抑えられるという。同社は特許を取得しており、他社への技術供与を目指している。 バイオエタノールは石油の代替燃料として、米国やブラジルで普及している。【窪田淳】