東北の有機農業/縮小防止へ誘導策の点検を 東北の有機農業が曲がり角にある。農薬や化学肥料に頼らない環境保全型農業をどう推進するかが問われている。 有機栽培の国内認証制度「有機JAS規格」の農産物を栽培する東北の農地は減少傾向が続く。農林水産省によると、昨年4月1日現在の面積は東北全体で田畑合わせて1713ヘクタール。2011年のピーク時から25.1%減った。 減少は東北6県に共通する。特に宮城、秋田、福島3県はピーク時と比べて30%以上の大幅ダウンとなった。 要因は複数ある。福島では有機農業に積極的だった沿岸部が東京電力福島第1原発事故で被災。営農再開が遅れていることが響いている。 気になるのは農業政策の影響だ。コメに関しては手厚い交付金を背景に飼料用米生産が拡大してきた。 飼料用米は、地域農業の中核を担う大規模農家が生産する例が多く、手間のかかる有機栽培への負担感が増しているとの見方があ