特定外来生物のアメリカミンク=写真、知床博物館提供=の生息域が、知床半島全域に拡大していることが、知床博物館(北海道斜里町)などの調査でわかった。世界自然遺産登録地の生態系に与える悪影響も懸念されるため、同博物館では今月に入って詳細な実態の解明調査に乗り出し、行政機関などに必要な対策を訴えていく考えだ。 アメリカミンクの目撃情報が相次いでいることを受け、同博物館と北海道大では2009年から調査を始め、昨年末に結果がまとめられた。それによると知床岬から同半島の付け根部分までの半島全域64か所で死骸や目撃情報が確認され、世界自然遺産地域内でも多く見つかった。 同半島で1960年代に毛皮を取る目的で育てられていたアメリカミンクが飼育場から逃げ出すなどして野生化したとみられている。これまでも世界自然遺産地域外の半島付け根部分で生息が確認されていたが、繁殖活動が盛んになって、生息域が拡大したとみられ