イタリアの学校は、秋に始まる。自治体により数日のずれはあるが、多くの学校が九月第二週から始まっている。 今年の秋は、ワクチン問題でかまびすしい。消滅したものもあれば、新たに追加された種類もある。夏前の国会では、義務ワクチンを十二種類に増やそうという提案まで出た。審議の末、今年度のゼロ歳から十六歳を対象とした義務ワクチンは、合計十種類と決定。接種証明を提出しなければ、幼稚園や小中、高等学校には公立私立の差なく入れない。 「ワクチンは、政治家と関係者の癒着の温床だ」 「副作用などの薬害があることも説明しなければ」 「いや、ワクチンのおかげで消滅した病気は多い。効能を評価するべき」 インターネット上や口コミで、ワクチンに関連する賛否両論が錯綜、沸騰。ワクチンが本来持つ、伝染病などを未然に抑えるという公衆衛生の役割についての論議から離れ、接種するしないは個人の自由に任せるべき、と論点が移っての喧々
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