農業とは耕すこと。こんな常識が崩れつつある。「土壌はできるだけそっとしておくべきだ」と唱えた米国人学者が1月、日本国際賞(ジャパン・プライズ)を受賞して注目を集めた。世界では実際に不耕起栽培が広がっている。1万年以上に及ぶ農耕の歴史が逆回転し始めたのには、深いわけがある。 ▽土壌保全実証に日本国際賞 米オハイオ州立大学のラタン・ラル博士・特別栄誉教授は1970年代、アフリカの土壌劣化を調べ、不耕起栽培が土壌保全に有効であることを実証。被覆作物の導入と組み合わせることで持続的な農業に結びつけたことが高く評価された。 地道な研究内容にもかかわらず、「ノーベル賞並み」の権威を目指すジャパン・プライズが与えられたのは、土壌の危機と気候変動対策に果たす役割に国際的な注目が集まってきたからだ。 地球上で農業を支えてきた土壌は、たんなる泥ではない。岩石が風化して細かくなり、死んだ動植物や微生物由来の有機
![世界で広がる耕さない農業 | 日本食農連携機構](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/b836e8f59b1856b1ee61a05557bd25df91f6f824/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fjfaco.jp%2Fimg%2Fogp.png)