中野 来喜 1,2 、 大槻 久 2 1 総合研究大学院大学 先端学術院 先端学術専攻 統合進化科学コース 2 総合研究大学院大学 統合進化科学研究センター 研究概要 集団に複数の言語が存在する時に、そこで最終的にどんな言語が話されるようになるのかという問題は、言語学や他分野からも注目を集めてきました。このような場合に、二つの言語が混合して新しい言語が生じ母語として定着することがあります。このようにしてできた言語をクレオール言語(1)と呼びます。 これまでの数理モデル(2)を用いた理論研究では、二つの異なる言語が出会った場合、集団内で多数派を占める側が話す言語や、社会的地位が高い側が話す言語が、最終的に集団に定着することが分かっていました。 しかし、クレオール言語がどのように社会に広まり話されるようになったかは、未だに議論が続いている問題です。集団の中で初期に生じた少数のクレオール話者が、
