【ワシントン=勝田敏彦】中国が自国の人工衛星同士を至近距離まで接近させる実験をしたとみられることが、米民間団体セキュアワールド財団の分析でわかった。高速で飛行する衛星同士を接近させるには高度な技術が必要で、中国の宇宙技術の向上が改めて示された。 宇宙利用に関する研究をする同財団が米軍提供のデータを分析したところ、6月12日から8月16日にかけ、SJ12と呼ばれる衛星が軌道を変更し、SJ06Fと呼ばれる衛星に何度も接近した。接近のたびにSJ06Fの軌道が乱れており、衛星同士が接触した可能性もあるという。 中国は2007年、古くなった気象衛星にミサイルを命中させて破壊する実験を行っている。今回の実験も、衛星攻撃兵器の開発の一環との見方もあるが、接近がかなりゆっくりだったことから、同財団はドッキングや衛星の検査などの技術開発が目的とみている。 分析したブライアン・ウィーデンさんは「軌道から