明細書は、特許を求める発明の内容を開示することにより、次のような法律的機能を有するものであって、良い明細書を書くためには、その意味を十分に理解することが必要である。 (1) 求める特許の権利範囲を規定する。(契約書的機能) (2) 発明が特許性を有する根拠を示す。(申請書的機能) (3) 発明の実施可能性を示す。(実施可能要件充足機能) (4) 他者の特許取得を阻止する。 (後願排除機能) 契約書的機能とは、明細書の特許請求の範囲は、求める特許の権利範囲(特許発明の技術的範囲)について第三者と契約を交わすことに等しいことを意味するもので、契約書であることから、その表現は法律的に厳しい解釈に晒されるものであることを認識しなければならない。特許請求の範囲以外の部分も、権利解釈に影響することがあるから、特許請求の範囲以外の記載についても、その認識は必要である。 申請書的機能は、請求範囲に規定され