古代メソポタミアの粘土煉瓦に含まれる酸化鉄粒子に保存されている地球磁場(地磁気)の痕跡を利用して、過去3000年にわたる地球磁場の変化を復元することに、国際研究チームが成功した。 研究チームは、考古学的な遺物に残る地球磁場の痕跡を探す「考古地磁気学」を利用して、地球磁場の(地質学的に見て)短期間の変化に関する理解を深めるたけでなく、これまでは年代測定が不可能だった遺物の年代を決定できるようにしたいと考えている。 論文の共同執筆者で、英ロンドン大学ユニバーシティー・カレッジ(UCL)の考古学研究所の教授を務めるマーク・アルタウィールは「古代メソポタミアの年代決定を行うには、放射性炭素年代などの年代測定法に頼ることが多い。だが、煉瓦や陶器のような最も一般的な文化的遺物の一部は通常、有機物を含まないため、容易に年代測定ができない可能性がある。今回の研究は、重要な年代測定の基準を作成する助けになる