自民党が16日閉会した通常国会への提出を見送った「LGBT理解増進法案」。超党派の議員連盟で合意したものの、「差別は許されない」という文言が入ったことに自民党内で保守派議員が強く反対した。保守派は、差別を許さないという、当然とも思える内容になぜ反対し続けるのか。そして、保守派でありながらLGBT法案の成立に向けて奔走した稲田朋美議員をどう評価すべきか。「この問題の鍵は稲田氏にある」と語る中島岳志・東京工業大教授(日本政治思想)に読み解いてもらった。【藤沢美由紀/デジタル報道センター】 「保守」とは何か ――自民党は「LGBT理解増進法案」に慎重な立場の保守派議員に配慮し、会期末まで2週間以上を残して法案提出の見送りを決めました。議論の中では保守派議員からLGBTへの差別発言もありました。考えの違いはあるにしても、困難に直面している当事者たちの訴えと、大きな隔たりを感じます。一連の流れをどう