※同人誌『Vanda』5号(1992年2月発行)の『太陽の王子 ホルスの大冒険』特集に寄稿した文章の再録です。『Vanda』は(故)佐野邦彦氏と近藤恵氏が編集発行した同人誌です。 『ホルスの大冒険』を初めて見た時の感激は今も忘れない。おそらく一生忘れないだろう。 力強く語られるテーマ、画面を圧する、凄まじいばかりのモブシーン、大胆で象徴的で、あふれんばかりの意欲と熱気にみちた、今まで見たこともないー。アニメーションでこんなことが出来るのか!という衝撃は、まざまざと残っている。 数ある東映長編の中でも『ホルス』は格別だ。『わんぱく王子の大蛇退治』も『ホルスの大冒険』も『長靴をはいた猫』も『どうぶつ宝島』も甲乙つけ難く好きで、それぞれに愛着があるが、そんな中でも『ホルス』が格別なのは、やはりそのドラマ性に心ひかれるためだろう。 『ホルス』には命を救われたことがある。と言ってもたいした話ではなく