📖 「何事も制度しだい」という、いかにもアメリカンが好みそうな単純要素還元主義でありながら、それなりに強い説得力を見せる。 昨今、日本の一部の大臣が「まず制度を変えれば社会が追って変わってくる」と宣ったりしているのは、この本の流れの上にある。 ジャレド・ダイアモンドの『銃・病原菌・鉄』や『文明崩壊』を読んだことがある人は、これを見て脳内データを更新しておくべき。 世界は刷新されている。 産業革命が未だにアフリカに広がっていない主要因は、地理的条件ではなく、収奪的な政治・経済制度の持続と再形成という悪循環が、長く繰り返されてきたからだ。 ある社会において、経済成長や国民の福利にとって最善の制度が構築されたり採用されたりするとは限らない。別の制度のほうが、政治や政治制度を支配する人々にとってはいっそう好都合かもしれないからだ。 収奪的制度が歴史上よく見られるのは、それが強力な論理を持っている
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