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中島岳志と書籍に関するakakitのブックマーク (2)

  • 「福田恆存 人間は弱い」書評 庶民への愛と知的俗物への嫌悪|好書好日

    福田恆存 人間は弱い [著]川久保剛 今年は福田恆存(つねあり)生誕100年にあたる。近年、福田に注目が集まり、再評価が進んでいる。書は若手研究者による格的な評伝である。 福田は東京・神田の下町で職人に囲まれて育った。そこで身に付いた職人気質が、庶民の良識を重視し、俗流インテリへの批判的態度へとつながる。 福田は大学時代、英文学とともに「生の哲学」に関心を寄せた。福田は人間の非合理的な生命の力を直視し、理性の無謬性(むびゅうせい)を疑った。 福田の懐疑は、イデオロギーに身を寄せる知識人への批判となって現れた。そして、文芸批評の先駆者・小林秀雄への痛烈な批判へと展開した。福田にとって、近代人の内面の空虚に迫った小林は、憧れの存在だった。しかし、小林は一般平凡人に見切りをつけ、天才の世界を追った。福田の眼(め)には、小林の姿勢が「現代の苦悶(くもん)」からの逃避と映った。 福田は、保守的で

    「福田恆存 人間は弱い」書評 庶民への愛と知的俗物への嫌悪|好書好日
  • 【レビュー・書評】俺俺 [著]星野智幸 - 書評 - BOOK:asahi.com(朝日新聞社)

    俺俺 [著]星野智幸[掲載]2010年7月18日[評者]中島岳志(北海道大学准教授・南アジア地域研究、政治思想史)■承認されたい個、全体へと融解 傑作だ。 ファストフード店で隣の男の携帯電話を手に入れた俺(おれ)は、出来心でその人になりすまし、持ち主の母親に振り込め詐欺を行う。しかし、その母親は俺を当の息子と思い込み、次第に俺は「その男」になっていく。この現象が徐々に拡大し、俺が果てしなく増殖する物語。 俺の職場は「メガトン」という家電量販店。俺は「メガトン」こそ自分の居場所だと思っていたが、俺が別の俺と入れ替わっても業務は回り、ただ果てしない日常が続くことに気づく。俺の存在は常に希薄で、いつでも「誰か」と代替可能な存在だ。しかも、「メガトン」には分かり合えない意地悪な上司が存在する。社内では同調圧力が強く、みんなが特定の人間をバカにすることで、ギリギリの共同性が保たれる。 俺は「メガ

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