1981年から2000年までマイクロソフトで働いていた私にとっては、まさにデジャヴでもみているかのような物語だ。いまをときめくグーグルも、いつかは普通の大企業になり、それにつれて一方的にパンチを浴び続けていたメディア業界や広告業界なども気を取り直して反撃に転じ、創業期のメンバーが次々と退職し、やがて若いパンチ力のある会社と新しいビジネスモデルの出現を目の前にして呆然と佇むであろうことを確信した。それはまさにAT&Tやマイクロソフトが辿ってきた道なのだ。 いやグーグルはAT&Tやマイクロソフトほど陳腐な会社ではなく、グーテンベルグの印刷術やライト兄弟の航空機に匹敵する革新を生み出し続けているから、衰退などありえない、と主張する読者もいるだろう。しかし、少なくともAT&Tのベル研究所がなければ、そもそもトランジスタは発明されてないのだし、マイクロソフトの貪欲さがなければ、パソコンの普及は遅れ、