国内最大のカルスト台地を有し、自然公園法で開発が規制されている「秋吉台国定公園」(山口県美祢市)内で、閉鎖されたホテルや土産物店が廃屋となり、市や地元観光関係者が「景観を損ない、危険もある」と頭を悩ませている。 自然公園法は廃屋の撤去を想定しておらず、美祢市に撤去の強制力を持った景観条例もないためだ。解決の糸口が見いだせない中、市民から市の対応の遅さに不満が出ている。 公園内でホテルを営む秋吉台商店会長の猶野(なおの)和則さん(75)によると、ピーク時には公園内の約30軒の土産物店や民宿などが商店会に加入していた。しかし、観光客の減少で1990年代半ば頃から廃業が相次ぎ、現在は8軒に減った。 市によると、更地になったところもあるが、放置されたままのホテルや空き店舗などが5軒あるという。中には閉鎖して13年以上たつホテル(鉄骨4階建て、延べ床面積約3700平方メートル)もある。市には「観光地