80年代の幕を開ける革命的映画が福岡市出身の石井聰亙(そうご)(現・石井岳龍(がくりゅう))監督の自主制作映画「狂い咲きサンダーロード」だ。日大芸術学部の卒業作品で、商業映画での上映を想定して16ミリで撮影されている。 映画は「サンダーロード」という架空の街を舞台に権力に挑む暴走族の一匹狼(おおかみ)を描く「爆走パンクムービー」(DVDのキャッチコピー)だ。 石井監督はそれまでの日本映画に対して「自分は『破壊』と『再生』をしないといけない立場なんだってことは当時から意識していましたね」と対談の中で語っている。 この映画は見方を変えれば「ロック映画」でもある。石井監督はこうも語っている。 「俺は音楽が好きで好きで、高校のときはミュージシャンに憧れてたりしてて、バンドをやりたかった…その頃、海の向こうでは僕らと同じ歳のやつら、SEX PISTOLSとか、THE CLASHとかがパンクという形を