病的な嘘つきがいる。 ある日、こんなことを言い出した。 「ボクのことを嘘つきだと思っているのだろうけれど、これから言うことは掛け値なしの真実だ。信じてくれるかい?」 うなずくと、病的な嘘つきは話し出した。 「ボクはこの前、人を殴った。そいつがとても理不尽なことをしたからだ。そうしたら、そいつは死んでしまった。そのあと、人を三人殴った。そのうち二人は死んで、一人は生き残った。生き残った一人は、近くの病院に運ばれた」 「だからボクは、生き残った一人を、もう一度、病院まで殺しに行った。そうしたら、そいつはもう死んでいたんだ」 「ボクは頭にきたよ。何で、ボクが行くまで生きていないんだってね。あんまり頭にきたから、病院の看護師二人と医者を一人と外に出て、ちょうど通りかかった人を三人殺してしまった。悪いことだとは分かっていたんだけれど、何しろ余りに頭にきたから」 「ところが、そのうちの一人が生き返った