【出版】出版界をめぐる様々な状況と対応 話をややこしくしているもの2009年9月10日 筆者 福嶋 聡図:読者の文字情報へのアクセスルート(「ジャーナリズム」09年9月号掲載) 出版界の業界紙「新文化」は7月9日号、7月16日号の2回にわたり、「2009年 出版界上半期の動き」という特集を組んだ。それぞれ、「構造疲弊?…合従連衡、体質改善の大波」、「脱委託、中古本…生き残りかけて」と題され、「業界再編・DNP連合」「Googleブック検索裁判」「取次の配送・返品協業化」、「責任販売 版元も続々」「中古本新たな動き」「上期新規店 2極化?」と3本ずつの見出しが並んだ。 「疲弊」、「生き残りかけて」など、危機感に満ちた語が目立つ。売り上げの下降、雑誌の休刊、出版社の倒産、書店の廃業と、出版界の現状を見ると、それも当然のことだし、記事のほとんどは、危機を脱しようとするさまざまな試みで埋められてい