昨年9月末に、岐阜県可児市の小中学校において複数の給食パンに1~4匹のハエが混入した騒ぎがあった。これに対し給食センターは、付着した部分を取り除いて食べれば問題ないと指導した。 混入したハエはクロバネキノコバエという体長1、2ミリの小さなハエ。このハエはイエバエのように動物の腐った肉や排泄物にたかることはなく、キノコや植物を食べる昆虫である。 筆者自身はクロバネキノコバエが混入したパンを食べること自体に抵抗はないのだが、この事件の論点は混入したハエを食べること自体の是非より、コバエ混入に至る過程に食品管理上の不備がなかったかどうかだ。もし工場内に発生したキノコや腐敗した有機物からコバエが発生した、あるいは食中毒をおこす細菌の侵入を容易に許すような環境だったとすれば衛生管理に問題があったと言わざるを得ない。だが、事件後の報道を見る限り、そういった問題を指摘する声は上がってきていない。 クロバ
![食材としての昆虫とそのリスク――野外で採集し調理する「プチジビエ」を楽しむには/水野壮・三橋亮太 / 食用昆虫科学研究会 - SYNODOS](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/f8ea85df943e54026a0c2610b99d0ffa1721ee0d/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fsynodos.jp%2Fwp2%2Fwp-content%2Fuploads%2F2021%2F06%2Fp-3-5-1.jpg)