乗員・乗客15人が死亡した長野県軽井沢町のスキーツアーバス転落事故と同様の悲劇が31年前にも長野市のダム湖で起きていた。日本福祉大学(愛知県美浜町)の大学生を乗せた夜行のスキーバスが転落し、学生ら25人が死亡した事故。日本福祉大学構内と現地では今も毎年1月、追悼集会と法要が続けられている。遺族は「悲しい思いは自分たちが最後だったはず。国は今度こそ抜本的対策を」と訴えている。【尾崎修二】 【国交省が公開した事故直前の映像】 事故は1985年1月28日午前5時45分ごろ起きた。日本福祉大1年生ら21人が自力脱出したが、学生22人と引率教員1人、運転手2人が死亡した。「スキーバス転落」「同級生声詰まらせ」。当時の新聞記事には今回の軽井沢町でのバス事故と同じような見出しが並ぶ。 しんしんと雪が降る朝だった。事故の連絡を受けてダム湖に近い遺体安置所へ長野県下諏訪町の山形弘喜さん(75)、孝子さん