読者の心を引っかき回したい ──『九条の大罪』は、第1話から強烈なストーリーで、SNSでも大きな反響がありました。主人公の九条が弁護したのは、飲酒運転で親子をひき逃げした半グレです。九条の弁護によって、自転車に乗った親子をひき逃げした男が執行猶予を勝ち取る一方で、父親を亡くし悲しむ遺族は金銭的にも大損をするというストーリーは、知らないと損をする恐ろしさを伝えてくれているようにも感じます。 真鍋 論争を呼んだのは、「交通事故」というテーマが、明日実際に自分の身に起こっても不思議ではない身近な問題だったからだと思います。 「なんであんなヤツの弁護をするんだ」「胸くそ悪い」という意見もたくさんいただきましたが、法律の知識がなく弁護士をつけなかったために「損をする」ことは、実際の世界でも起こり得ることです。 「正義が勝つ」というハッピーエンドを作るのは簡単ですが、一人の漫画家が作品のなかで正義をふ