本それ自体は不変であり、一方人々の意見は、往々にしてそれに対する絶望の表現でしかない。(フランツ・カフカ) 興奮している。眠れそうにない。眠る前の、普段ならぬくぬくと小説を読んでいる時間なのに、こんな文章をちまちまと書いているのが、その証拠。 というのも、「劇団、本谷有希子」主催の『ファイナルファンタジックスーパーノーフラット』を見たせいだ。全部そのせいだ。今意識したけれど、ものすごく頭の悪そうなタイトルだ。口にだすのも、恥ずかしいくらいに。 こういうものを見てしまうと、書評を書いているのが馬鹿らしくなってくる。書評なんていらない。本はいつでも読みかえせる、読みおわったとの興奮は貴重だけれど、好きなときに好きなページを読みかえし、それについて考えることができる。だったら、と僕は思う。書評なんて一瞬のものでしかない。一年前に読んだとき、今読んだとき、一年後に読んだとき、そのときどきでその