量子力学の不思議さを説明するときに、必ずと言ってよいほど、よく使われるのが、 「シュレディンガーの猫」 という思考実験である。 だが、この思考実験を理解するのは、見かけよりもかなり難しい。 これを理解するためには、まず 「2重スリット実験」 についての知識が必須である。 (読んでない人は、まず、そっちから先に読んでほしい) さて。 「2重スリット実験」の項目でも述べたように、 量子力学の標準的な解釈(コペンハーゲン解釈)とは、 「観測される前の、電子の位置は、ホントウに決まっていない。 電子の位置は、観測されて初めて決定される。 観測される前の、電子の位置は、 ここにあるかも、あそこにあるかもという『可能性』として多重に存在している」 というものであった。 ここで、一番理解しておいて欲しい点は、 1個の粒子として観測される電子でも、観測される前では、 本当に、複数の場所に同時に存在している