綾野剛さん演じるピンク映画の監督と、柄本佑さん演じる脚本家志望だった男が、さとうほなみさん演じる心中した女優との奇縁により、雨の降る街で交錯することになる映画『花腐し』。 原作は松浦寿輝さんが第123回芥川賞を受賞した同名小説で、荒井晴彦さんが4作目の監督作として共同脚本も手掛け、大胆な脚色を行っています。日本を代表する脚本家の一人でもある荒井さんは、オリジナル要素の多い今回の脚色をどのように行ったのか。映画化の経緯や原作ものとの向き合い方などを、原作者の方からの評価や公開後の反響までも含めて語っていただきました。 失われていく1人の女性とピンク映画界へのレクイエム──『花腐し』の原作に興味を持ったきっかけは、20年位前の湯布院映画祭で廣木隆一監督と竹中直人さんに会った際に、映画化したい小説があると話していたことだったそうですね。そこから映画化実現までの経緯を教えてください。 荒井:2人と
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