“コロナ禍による大恐慌は「株式会社」の終焉を招くのか”本書のオビには、こんな惹句が躍っている。『ブルシットジョブ―クソどうでもいい仕事の理論』という本が話題になったり、自らの会社を自虐的に扱う態度が横行しているように、我々は「株式会社」の扱いに大いに困っているように見える。 この時期に「株式会社」について考察を深めておくことは非常に有意義だと感じ、私はこの本を手に取った。本書の半分は、「株式会社」登場前からの約500年間の歴史だ。その後もアダム・スミスやミルトン・フリードマンなどの言説を紹介している。つまり「株式会社」に関する歴史や教養、いわゆるリベラルアーツが詰まった一冊といえる。 我々は、当たり前のようにそこで働き、そこで生産された商品やサービスを享受しながら、しかしさほど株式会社について知らない。しかし、本書を一読すれば、株式会社に関する一定の見識を持つことができるようになっている。
![これから先も、株式会社は必要か 『株式会社の世界史 「病理」と「戦争」の500年』 - HONZ](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/a804d5e14d2286c6b543dfe92a7b316a4b622b21/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fm.media-amazon.com%2Fimages%2FI%2F51%2BjUgn%2B1FL.jpg)