ジャクソン・ポロックの生誕100年を記念した展覧会「生誕100年 ジャクソン・ポロック」が愛知県美術館で開催されている。本展は日本初の回顧展として初期から晩期に至るまでのポロックの軌跡を概観する。愛知県美術館と東京都国立近代美術館を巡回。 盛期ポロック絵画の実験性 待望の回顧展である。ポロックの回顧展は、1998年に史上もっとも大規模な展示がニューヨーク近代美術館で開催されて以降は、2005年のグッゲンハイム美術館での紙の作品を特集した展覧会や、晩期の大作《ブルー・ポールズ:第2番、1952》に焦点をあてた02年のオーストラリア国立美術館での企画など、ポロックの多角的な制作に、どちらかといえば周縁的な事象から切り込んだものに限られていた。その意味で今回の愛知・東京での展覧会は、日本、中東、アメリカ、ヨーロッパの各地のコレクションから作品を集めて行なわれる包括的な個展としてはほぼ10年以上の