ロードサイドと東京を往復するような物語は、ケータイ小説やライトノベルにもそれなりある。けれども自意識を滴らせるような小説にはそれほど出会ったことがない。もし、出会ってしまったなら、きっとひどく感情移入してしまうんだろうなぁと前から思っていた。で、 ここは退屈迎えに来て 作者: 山内マリコ出版社/メーカー: 幻冬舎発売日: 2012/08/24メディア: 単行本購入: 9人 クリック: 100回この商品を含むブログ (68件) を見る この短編小説集の存在は、「今度、すごいロードサイド小説が出るらしい」と耳にしていた。古い集落に生まれ、郊外の国道沿いで思春期を過ごした私にとって、この小説が他人事なわけがない。しかしネットで見かけた書評を見るうち、それを手にとるのが億劫になっていった。もちろん億劫というのは言い訳で、この作品を読むのが怖かった。 ところが、この本の作者・山内さんが、文芸誌で拙著
![国道沿いの「退屈」について――『ここは退屈迎えに来て』 - シロクマの屑籠](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/2952b961be6c63b7f7496190198b53122a2256c7/height=288;version=1;width=512/http%3A%2F%2Fecx.images-amazon.com%2Fimages%2FI%2F41jqxE2BKnL.jpg)