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ブックマーク / note.com/biblio_kinoko (18)

  • ピンチ/チャンス|2023-05-28|九段下パルチザン

    今回は、うでパスタが書く。 ホーチミンシティで遠く年次の離れた高校の後輩と会った。 この彼は「平成の文化大革命」として有名なゆとり教育の申し子で、そのうえ高校三年時にはいわゆる「未履修問題」にも巻き込まれるという二重のハンデを乗り越えて今日みごとに大輪の花を咲かせている身近な大人物だ。 未履修問題の詳細についてはWikipediaなどを随時参照していただきたいが、つまり高校が特に受験指導に力を入れるためカリキュラムをいじりすぎた結果、誤解や認識不足から文科省のさだめる教育課程を満たすに充分な単位を生徒に履修させていないことが、高校三年生の受験と卒業が目前にせまるなか相次いで発覚したことをいう。 教育課程は法定のものであるから、来ならば未履修単位のある高校三年生には卒業資格が認められず、卒業の見込みがないのであるから当然に大学の受験資格も得られないはずであったが、様々な方面からの陳情により

    ピンチ/チャンス|2023-05-28|九段下パルチザン
    akiramaz
    akiramaz 2023/05/28
    “四年目の高校生活は最高だよ、あとはもう限られた単位だけをとればあとは自由に豊かな時間を過ごすことができるんだから”
  • 主語のおおきな話|2023-02-27|九段下パルチザン

    今回は、うでパスタが書く。 戦争が始まって一年になるということがあちこちで言われていたようだが、そろそろ「いつ終わる」とか「どのように終わる」とか、あるいは「どちらが勝つ」とかいうことが聞かれなくなっており、要するにみんな飽きたか疲れたという(つまりbe tired ofである)ことがよく分かる月末だ。 日ではあいかわらず「ロシアはとんでもない国で、ロシア人はみな人でなしだ」というような言説が飛び交っているが、ひとはつまり絶対に反撃されないと分かっているとどんなことでも言ってしまう。普段はしたり顔でそんな性質をあげつらっているひとも、気が付けばおなじことをしているのだ。正義は貧乏人の娯楽だなどと斜に構えていたかと思うと途端に声高に正義を叫びはじめる様には狂気以外のなにものも見出すことができない。 「ウクライナのひとびとの思いがある限り、我々はそれを支援する義務がある」と格好のいいことを言

    主語のおおきな話|2023-02-27|九段下パルチザン
    akiramaz
    akiramaz 2023/02/27
    “「やればできる」という根拠のない思い込み、これこそが結局はガイアツによってしかブレイクスルーを生み出せない神風以来の他力本願というこの国の、私たち日本人の精神の本質なのだ。”
  • 物語についての物語|2022-08-24|九段下パルチザン

    今日は、うでパスタが書きます。 新型コロナヴァイラスによるパンデミックはこれでもういよいよ二年半もの長きにわたり、ただし世界的に蔓延した感染症は初めから「第二波、第三波と波を打つように流行を繰り返し、やがて収まってゆくまで三年ほどはかかる」と言われていたわけなので、我々の飽きや疲れに不思議はないというものの、現象の程度としては驚くほどのことでもないのでしょう。歴史に学ぶことが思いのほか有効な事件だったのだなと、振り返えるとあらためて思わされると同時に、最初から三年つづくと腹をくくってさえおればできたこともあろうに当時は「夏になって暑くなれば収まる」と無根拠なことを宣ってただひたすらに動揺を収め五輪開催への道を拓こうとそれだけを考えていた政治家などもおったわけで、これを今度はどのような教訓として私たちがこの命で編んだ歴史に織り込んでいくかが問われる時間帯となってきております。 しかしそれにし

    物語についての物語|2022-08-24|九段下パルチザン
    akiramaz
    akiramaz 2022/08/24
    “他のすべての物語を黙らせようとしてきたその物語がいよいよ破綻をきたしつつあるということについて考え、おそらくは今世紀後半の世界を支えるべき何かについて語りあう必要があると、私は思います。 ”
  • 責任をとるということ、それから暴力(平和)。|weekly vol.0106|九段下パルチザン

    今週は、うでパスタが書く。 オリンピックが始まってしまった。 二〇二〇年という、いまになってみれば思いもかけないかたちで生涯忘れえぬ年となったまさにその年に東京でオリンピックが開催されるだろうと決まった時の首相は、安倍晋三だった。 長期政権を実現した安倍がその間もっとも非難されるべき態度は、「事実にもとづいた説明で理解を求めようとせずにウソや強弁を重ね、追及を受けても噛み合わない答弁を繰り返すばかりで議論に応じようとしない」というものだった。当時は「実際に安倍総理人は答弁や議論の能力を欠いているのではないか?」という疑いも生じたほど、それはひどいものだったことをいま覚えているひとはどれぐらいいるだろうか。 もしあの頃のことを覚えているならば、どうやらこのオリンピックの開催が医療体制の逼迫をつうじて国民の生命を危険にさらすものになりそうだということが分かってきて以来、日政府と組織委員会に

    責任をとるということ、それから暴力(平和)。|weekly vol.0106|九段下パルチザン
    akiramaz
    akiramaz 2021/07/28
    “「責任のとり方は」と尋ねられた社長が実際に言っているのはこういうことだ。 「私には責任はとれない。だからいま原因究明というあらたなミッションを与えてほしい。私にはその責任を果たす意思がある」”
  • アフターマス/そのあいだ|weekly vol.0093|九段下パルチザン

    今週は、うでパスタが書く。 パンデミックのはじまりから一年が経って、それから一日、一日とカレンダーが上書きされていく。 ようやく時計が動き始める。 去年の今日どこで運命を知ったか、みなが口々に語っている。 静まりかえった大通りのことが、人影の絶えた公園に咲き誇っていた桜のことが、そうか桜というのはこんなにも無言で、ただ咲くのだと初めて知った春のことが、その静けさはまさに沈黙であったことが、ピリピリと肌に突き刺さるようだった狂気の昼下がりが、一日ずつが過去になっていく。 そうやって僕たちは、自分の生きた時間はいつまでも歴史にはならないことを知る。 教科書で見たモノクロームの景色が、祖父母にとってはそのときまだ「歴史」でなかったことにようやく思い至る。教壇のうえからはあれほど冗舌に語られた戦争が、なぜ祖父母の口からは語られることがなかったのかを、知る。 何度も、何度も上塗りされたカレンダーの下

    アフターマス/そのあいだ|weekly vol.0093|九段下パルチザン
    akiramaz
    akiramaz 2021/03/13
    “いつかはあれほど嫌だった、ひとつの「物語」(レール)の上にいることを思って涙を流し、エンドロールのあとにもう予告が流れないことを悟り、それから鏡をのぞくことになる。”
  • デブ・病原菌・鉄、そして美しさ。|weekly vol.086|九段下パルチザン

    今週は、うでパスタが書く。 当分のあいだ、うでパスタが書くかもしれない。理由は秘密だ。 異常なぐらい太ってきた。 「異常なぐらい」というか、人生最高水準だということを認めるならばこれは留保なしに異常なのだ。 もっとも読者のなかにだって「過去一年で劇的に痩せた」というひとがほとんどいないことは私もフェルミ推定で分かっていて、優しさもまじえて言えば、これはパンデミックにより長期化する「ステイホーム」習慣の影響である。私はフェルミ推定をよく分かっていない。 一般にプログレッシブとみなされるひとびとはいまも「女性の美しさ」を既成概念の拘束から解こうとしていて、たとえばもっとも物議を醸すジャンルでいうなら「デブもそれなりに美しい」ことを当たり前にしようとしているが、たとえばもともとデブ専と呼ばれる嗜好のひとたちにとってそれはもとより当たり前だし「余計なことを言うな」という思いすらあるかもしれない。あ

    デブ・病原菌・鉄、そして美しさ。|weekly vol.086|九段下パルチザン
    akiramaz
    akiramaz 2021/01/17
    “しかし男性のなかにだって私やキノコさんのようにすでにそのコストで破産した者もおれば、今日なお一切の支払いを逃れようとしている「子ども部屋おじさん」みたいな方々もたくさんいらっしゃるわけです。”
  • カネのいろは/嘘をつく紳士たち|weekly|九段下パルチザン

    今週は、うでパスタが書く。 「カネにイロはない」などというやつは、決まってカネに困っている。大きな車を乗り回し、派手な女を連れて高いワインを飲んでいたって事務所の家賃を滞納していたりするのだ。取り立てる方も「何か事情があるにちがいない」と思いこんであまり追い込まないので、こういう人間は見た目ではなかなか分からない。しかし立ち回りには特徴があるので「ん?」と思ったときには直感を信じなければならない。ひとつのパターンとして、ビジネスの話にはとても積極的なのに経験豊かなリアリストを気取って何やかんやと理由を付けては決して自分から手付けを打たないなどというものがある。 繊維業界のひとからこんな話を聞いたことがある。 関西ではカネは口座に入金されるまでカネじゃないと営業マンに叩き込むのだという。 「いや、あそこの社長さんはどこそこに大きい屋敷がありますから」と営業マンは掛けを正当化しようとするが、

    カネのいろは/嘘をつく紳士たち|weekly|九段下パルチザン
    akiramaz
    akiramaz 2020/09/14
    “大人になった我々が毎日を「成長痛」のなかで暮らしていくのは非常に厳しいものがあるし、健全とも言えないだろう。青春の劇薬と、中年のモルヒネにはそれぞれの必然性があるのだ。”
  • 匂いより、深く染みつくもの。|負債論|weekly|九段下パルチザン

    今週は、うでパスタが書く。 僕は二〇一八年の初頭、そのとき保有していたビットコインをすべて売却しておよそ一億円の収益を得た。これについてはまたいつか書く。どうかこのnoteのサブスクリプションを手放さないでほしい。 なぜ僕がビットコインを保有していたのかという理由の半分は、こちらのに収録されている「だって人生はほら、RPG。」で読める。 しかし、では今日ビットコインを売ったそのカネはどこへ行ったかというと、四千万円を事業に投じてわずか半年で失ったあと、六千万円を納税したらすべてなくなってしまった。ところが半年で爆発炎上した事業の後始末は二年後のいまも続いており、もうとっくに得たものより失ったものの方が大きくなっている。結果、四十三歳にもなったのに狭小住宅どころかバリッとしたマンションのひとつも買えずに僕はいま週に五〇〇時間ぐらいを賃貸物件の内見に充てている。更新料を払いたくないからだ。め

    匂いより、深く染みつくもの。|負債論|weekly|九段下パルチザン
    akiramaz
    akiramaz 2020/09/06
    “次の駅に着けばふたりはドアを出ていってもう二度と会うことがないだろうという、The elephant in the roomが1LDKの隅で丸くなって寝息を立てている、そういう夕方のことだった。”
  • 引き延ばされる袋小路/永遠の訪れる前の|weekly|九段下パルチザン

    今週は、うでパスタが書く。 はじめにお伝えしておくと来週と再来週、このウィークリー・マガジンは夏休みとなる。つまり充分に運がよければ次回は8月29日(土)ごろ、キノコさんが更新するということになるだろう。 しかしそれまでいったいどうしろというんだ、という向きもあると思うので、8月20日(木)には20時よりYouTube配信「BiblioTALK de KINOKO Vol.3」をお届けする予定だ。このURLはまた追って公開する。 配信のテーマは「死」、それもいまやコントロールの余地が格的に大きくなってきて、ときには必要にすら思えることもある現代とこれからの死について、その取り扱い方を考える。「考える」というのはもちろんキノコさんと私が考えるのであって、「浅い」とかそういうコメントは不要だ。あなたはあなたで考えればいい。相当「深い」んでしょうね? 少なくとも私の前後にあたる時代に早稲田大学

    引き延ばされる袋小路/永遠の訪れる前の|weekly|九段下パルチザン
    akiramaz
    akiramaz 2020/08/09
    “彼女の家族にとって希望の代償であることが、僕にとっては絶望のコストに見えることを説明するにはすべてが遠すぎた。”
  • タナバタ・イン・マイ・マインド、そしてメン・アンド・ウィメン|weekly|九段下パルチザン

    今週も、うでパスタが書く。 今年も七夕は、特にどうということもない日だった。 だいいち昨今の七月はまだしつこい梅雨のさなかであって、天の川だかミルキーウェイだかもまったく見えようはずがないのだから子どもにだってよく分からない話だ。サンタクロースなら願いは叶えてくれるのに、これはいったい何なの?といったところで、神社とならんで使えない願掛けと成り果てるのもやんぬるかな、私の提案はいつもの通り「もうやめてしまえ、こんなこと」だ。 だいたい「織り姫と彦星が一年に一度会える」と言ったって、別に動きゃしないのに「会える」と言われても無理筋だと多くのひとが感じてきたことと思う。他に楽しいこともたくさんある現代に、こんなに地味なイベントを護持する理由はない。 近所のスーパーマーケットは門をくぐったところへさほど派手さもない樹脂製の笹が据えられており、そこへ短冊をさげれば後日いずこへか奉納してくれるとの案

    タナバタ・イン・マイ・マインド、そしてメン・アンド・ウィメン|weekly|九段下パルチザン
    akiramaz
    akiramaz 2020/07/12
    “つまり最終的に私たちは、自分の口から出た「論」のプライスを生き方でもって支払うということだ。”
  • BiblioTALK de KINOKO定期購読者限定ライブ配信のお知らせ|九段下パルチザン

    2020年6月5日更新: こちらの配信は終了しました。皆さんのご参加ありがとうございました。 ソーシャル・ディスタンシングあるいは「新しい生活様式」、みなさんにもうメドは立っただろうか。 やることはともかく、「ソーシャル」ディスタンシングという言葉自体はちょっとよく分からないなというひとも多いと思うが、この場合「ソーシャル」はおそらく「社会的な戦略としての」という意味で、「社会的に(社交上の)距離を取る」ということではないだろう。距離はあくまでフィジカルな距離だ。我々は社会的な関係性を維持しようとしている。だから「俺は昔から距離取られてるから何も変わってないw」というひと、その問題は何も解決していないし、誤魔化せてもいないので引き続き取り組んでいく必要があるということだ。 九段下ビブリオテーク・ド・キノコもまた、フィジカルにはその扉を閉ざして二ヶ月あまりが経とうとしている。 そろそろ何か、

    BiblioTALK de KINOKO定期購読者限定ライブ配信のお知らせ|九段下パルチザン
    akiramaz
    akiramaz 2020/05/29
    “ふだん小難しい言葉で読者のみなさんを煙に巻いているふたりがさらす無様な実態が見られるのは、もしかしたらこれが最初で最後になるかもしれない。”
  • 我らが背(そむ)きし者。|weekly|九段下パルチザン

    今週は、うでパスタが書く。年頭の挨拶は特にない。 「いいんじゃない」 と、彼女は言った。私はいいと思う、嫌味がなくてと。 小綺麗で機能的だが、ふたりで住めば遠からず手狭になると分かりきったデザイナーズマンションの1LDKをぐるりと歩いてまわったあとだった。 「いくらか贅沢な暮らしができるようになったからといって、家賃の高い家へ越すのだけはやめておけ。家は水準を引き上げてしまうと何かあったときに戻すのが難しい」とカイシャから口酸っぱく言われていた二〇代の僕に、どのみち他の選択肢はなかった。 しかしいずれにせよ、それからわずか三ヶ月のあいだにヤクザと事故と違法薬物をめぐるトラブルに巻き込まれた彼女は自分が運び込んだ家電一式とともにその部屋を去っていくことになる。 これは要らなかったから、と渡された封筒には「必要なものがあったら使ってくれ」と渡した一〇万円がそっくり入っていた。だが彼女自身の預金

    我らが背(そむ)きし者。|weekly|九段下パルチザン
    akiramaz
    akiramaz 2020/01/11
    "ただひとつ、ゴーンの逃亡劇がジョン・ル・カレの小説と決定的に異なるのは、ゴーンが生きて目的地へ到着したという点だけだ。"
  • 自由になるのは大変なのだ | weekly|九段下パルチザン

    「海辺にお城を建てたので遊びに来てください」 18年ぶりに来た友人からの手紙にはそう書いてあった。 ドローンで撮影したと思しき絵葉書の写真は、確かにお城と言われても納得の行く建物で、まさかそれが個人の別荘だとは周囲の住人も思わなかっただろう。昔から節操のない人間ではあると思ってはいたが、やりたいと思ったことは実現するというバイタリティもあったということで、それは評価すべきところなのではないかと思う。友人、と書いたが18年も連絡をしてこないので、その間何をしていたのかは全く分からない。SNSという近況報告のためのツールも使おうとはしないし、そもそもスマートフォンですら持っているか怪しい。この時代に、と言ってしまえばそれまでだけれども、彼の生き方を見ていると自分のほうが時代に迎合しているにも関わらずろくな成果もなく生きており、人生とは何かということを考えさせられてしまう。ドローンで撮影をしてい

    自由になるのは大変なのだ | weekly|九段下パルチザン
    akiramaz
    akiramaz 2019/12/23
    “自由にしていいよと言われて他人と異なることを積極的にしようという人は、自由にしてはダメだと言われても他人と同じことができないような人たちなので、ここを見誤ってはいけません”
  • フロンティアに未来はない/波打ち際でダンスを|Weekly|九段下パルチザン

    今週は、うでパスタが書く。 「おまえはここで書籍の紹介をすると言って金をもらっているクセに、ずっと自己紹介ばっかりしてるじゃないか」という声が二五〇件あまりも届いている。 クレームは、読まれている証拠だ。 あやうく路頭に迷いかけた二十代のはじめに潜り込んだ広告代理店が、まだ違法になる前のスパム、いわゆる迷惑メールを打っていた。 この広告代理店はとある風俗情報誌の関連会社で、ご多分にもれず「紙からデジタルへの移行」という社運を懸けたミッションを背負い、明後日の方向へと駆け出したばかりのところだった。 「迷惑メール」はiモード携帯の普及がすすむとともにちょうど問題化しつつあり、総務省と経産省がそれぞれ規制法・適正化法を準備中だといわれていたが依然野放しの状態であった。当時はDoCoMoのメールサーバが一日にリレーする一〇億通のメールの九割を迷惑メールが占めるといわれ、発信側はインターネットから

    フロンティアに未来はない/波打ち際でダンスを|Weekly|九段下パルチザン
    akiramaz
    akiramaz 2019/11/10
    エモい/”OAチェアの上にひっくり返って届いたメールを見ていると、そのなかにはやはり受信者からの返信があって、そこにはこう書かれていた。“
  • 資本主義のサブ宗教 vs 天国に富を積む無能な私|九段下パルチザン

    今週は、うでパスタが書く。 「全然儲からない」とネットでぼやいているところを客に見られてしまった。 おかしいな、あいつのところにはあんなに払っているのに…と思われたことだろう。つまり私はいま客から受注した仕事をほぼそのまま後輩の会社へ流している。そうすると手もとにはいくらも残らないというわけだ。 私は自分自身、こうした行為を憎んでいる。 業界では「多重下請け構造」という。「あたま」とか「フロント」とかいうポジションをとる会社が客にカッコいいことを言って受注をすると、自分のところでは実際にはものは作らず下請けへの再発注を差配する。 下請けには下請けで競争入札に突っ込んでいくだけの資格や体力がないとかリスクがとれないとかで、親玉にあたる元請けにらいついて仕事をもらう方が安全だという事情がある。だからあまり多くない元請け企業の下に無数の下請け企業が層をなす巨大なピラミッド構造ができあがる。 こ

    資本主義のサブ宗教 vs 天国に富を積む無能な私|九段下パルチザン
    akiramaz
    akiramaz 2019/10/15
    “「労働が楽しいかどうかという段階を人類はすでに通り過ぎた」ということなのかもしれない。”
  • 【無料記事】不老不死のうちに永遠を生きるベンチャー企業について - BiblioTALK de KINOKO Vol.1|九段下パルチザン

    あたらしいサービスだ。当面無料でやる。そして今回はうでパスタが書く。 少しまえのBibliothèque de KINOKO Weekly Magazineでキノコさんが「うでさんがしばしば言う、モダーンな生活を支えるための過剰さ」というようなことを言っているのを読んで、「あ、このひとは俺の書いてるのもちゃんと読んでるんだな」という素直な感動があった。 もちろん私だって彼の書いたものを読んでいるが別に読まなくたっていいわけで、一緒にビジネスをやるときにはこういう基的なこと、シンプルなことというのが意外に大切だ。 どんなに高度なことをやっていても信頼関係というか、「ここはレスペクトしていますよ」ということが相手に伝わっているといないとではだいぶん違う。具体的には最終的に金で揉める怖れが結構減る。 「いいかうでさん、ビジネスってのは儲からなければ揉める、儲かっても揉める、とにかくひととやる限

    【無料記事】不老不死のうちに永遠を生きるベンチャー企業について - BiblioTALK de KINOKO Vol.1|九段下パルチザン
    akiramaz
    akiramaz 2019/10/14
    “だがすべてを投げ打って会社なんてものをやろうという奴らが、ほかにどんな人生を求めているというのだろう?”
  • 施し、のぞみ、自問する労働者(ワークフォース)。|九段下パルチザン

    今週は、うでパスタが書く。 このBibliothèque de KINOKO Weekly Magazineはいよいよ「法外に安い」という評判がたちはじめてしまった。 渋谷・クロスタワーあたりに入っている情報商材の元締めみたいな会社からタレ込まれたりはしないかと、最近は震えながら公取委の電話を待つ日々だ。 渋谷・クロスタワーというのは架空の建物です。 知識は、知性は分け与えても減るものではない。だが自ずと摩耗する。つまり知識とは悪貨にほかならない。ならば月額三百円でもシェアするのが経済合理性にかなうというものだ。 「下ネタと動物(ネタ)、早死には誰がやってもウケる」と言っている先輩がいた。これらはまさに不朽の良貨であるとこそ言うべきだろう。だから軽々にやってはいけない、と言った先輩は偉い。 こうした良貨を駆逐するため、私は知性という悪貨を配って歩いている。 酒を飲むと二時間半のあいだ下ネタ

    施し、のぞみ、自問する労働者(ワークフォース)。|九段下パルチザン
    akiramaz
    akiramaz 2019/09/28
    “ひとはみな、生まれながらにして罪を背負い、その罪を十字架で贖ったアラサーの伝説的独身男性に借りがある”
  • ホワイト・ライオット。いま、器としての大統領を満たしているものは。|九段下パルチザン

    今週は、うでパスタが書く。 今年もはや桜が散った。 いつのまにか枝に吹き出していた葉桜がそれに入れ代わり、途端に川沿いの風景が、まるで紙芝居のように冬から春へと変わる。目を落とせば水辺にうずくまる植栽もまた冬枯れの姿からいちどに新緑の装いへと生まれ変わっていて、古来こうした営みにひとびとは生命の力強さ、めぐりめぐる世界の因果を読み取ったのだろうと感じる。 ひとの世には決して生まれ変わらず、もう二度と戻ってこないことどもがある。だが来年もまたこうして春の訪れを見たいという思いは、そうしたことを少しのあいだ忘れさせてくれる。 こうした感慨のすべては加齢によるものだ。 アメリカ大統領選が近付いている。 近付いている、と言っても投票日は来年の十一月だ。まだ一年と七ヶ月ある。前回選挙からの進捗で表現すれば、あと三九・六%残っている。 なんの進捗かにもよるが、ほぼ四〇%というのは、たとえば仕事なら「結

    ホワイト・ライオット。いま、器としての大統領を満たしているものは。|九段下パルチザン
    akiramaz
    akiramaz 2019/04/20
    「お分かりだろうか。 ドナルド・「トランプ」にカードゲームのトランプをかけたパンチラインだ。 」
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