ネット掲示板等を通じて日本でも1990年代からその数を増やしてきた草の根的な「ルームシェア」は、2000年頃にかつて「外人ハウス」と呼ばれた長期宿泊型「ゲストハウス」の流れを汲む事業者型の「シェアハウス」と合流することで、大きく注目されるようになった。 こうした現代的な住まいの共有の意味を考える前に、(1)共有と共同体との関係、(2)所有と使用の関係、(3)共用と家族の関係について整理しておくことは有益だろう。というのも、シェアハウスのみならず、オフィスシェア、カーシェアといったシェア文化の隆盛をめぐって語られる「所有(私有)から共有へ」といった単純な理解は、あまりに不正確でミスリーディングだと思われるからである★1。 1 共有の共同体的基礎──共同体なき共有と私有 「共有」とは、いわゆる「(狭義の)共有」/「合有」/「総有」の3つに分類され、順に共有の背後にある共同体的との関連が強くなっ
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