人口問題研究(J . o f P o p u l a t i o nP r o b l e ms )6 8 -3 (2 0 1 2 . 9 )p p . 8 5 ~1 0 4 特集:第1 6 回厚生政策セミナー 「東アジアの少子化のゆくえ―要因と政策対応の共通性と異質性を探る」 圧縮的な家族変化と子どもの平等: 日韓比較を中心に考える 相 馬 直 子* Ⅰ.はじめに 本稿の目的は,日本における子育てをめぐる政策対応のアプローチや考え方の特徴につ いて,隣国の韓国との比較から明らかにすることである.日本も韓国も,少子化・高齢化・ 家族形成の多様化という同じ課題を抱えている.ただ,それに対する政策的対応は両社会 の特徴が見られる.本稿は,政策フレーム,子育てニーズの認知の形式,政策手法という 3 つの次元から,日本と韓国の子育てをめぐる政策的対応の特徴を考察する.そして,そ ― 8 5 ― 本