四天王寺大学紀要 第 58 号(2014 年 9 月) - 125 - 在留外国人統計に見る外国人労働力の性質と変容 津 崎 克 彦 要旨 本稿は日本に在留する外国人を対象とした公的統計である在留外国人統計を用いて、 外国人 労働力の性質とその変化を記述し、 その労働市場の分析に関する今後の実証的な課題を検討し ようとするものである。 同統計を用いて外国人の年齢、性別、国籍、在留資格、地域という 5 つの要因について調査 データを整理していく中で、一方では 1990 年代前半を中心とした外国人労働者をめぐる一連 の政策とそれに基づく外国人労働者の受け入れ態勢が、社会政策のコストを回避しつつ、とり わけ人口の少ない地域へと外国人を供給するものであったことが確認された。しかし、2005 年から 2010 年の間を境に、①在留外国人の伸び率の低下と人口規模の大きな地域への集積傾 向、②属性におけ