ブックマーク / synodos.jp (112)

  • 「社会への投資」から考える日本の雇用と社会保障制度/濵田江里子 - SYNODOS

    2018年10月に発足した第4次安倍政権は、日が直面する最大の課題として少子高齢化を掲げ、すべての世代が安心できる社会保障制度へと改革を進めていくことを表明した。改革を議論する場として未来投資会議を挙げ、人生100年時代を見据えた、生涯現役社会の実現に向けた雇用制度改革について検討していく意向を明らかにした。2019年2月には、幼児教育・保育の無償化に向けて子ども・子育て支援法改正案を閣議決定、未来を担う子どもたちや子育て世代に大胆に投資する方針を打ち出した。 福祉や教育、子育てに「投資」の意味合いを持たせながら進める考え方は、「社会的投資」と呼ばれる。1990年代半ばからEUやOECDといった国際機関が提唱し始め、その後ヨーロッパ諸国が政策として実践し、近年ではラテン・アメリカや東アジア諸国でも同様の発想にもとづいた政策が展開している。 世界的な政策トレンドとなりつつある「社会的投資

    「社会への投資」から考える日本の雇用と社会保障制度/濵田江里子 - SYNODOS
    akupiyo
    akupiyo 2023/01/19
  • ヤングケアラーに着目する「危うさ」と「契機」——日本社会における家族と社会のケアをめぐって/松村智史 - SYNODOS

    「ヤングケアラー」が、社会的に注目を浴びている。メディアでその言葉を目にする機会が増え、関係する勉強会やシンポジウムが各地で開かれ、行政による実態調査が進められている。2023年4月に創設される「こども家庭庁」でも、ヤングケアラーへの支援策が盛り込まれている(内閣官房 2021)。 日で、ヤングケアラー分野の嚆矢となった書籍を刊行し、先駆的な研究を行っている澁谷(2018:24頁)によれば、ヤングケアラーとは、「家族にケアを要する人がいる場合に、大人が担うようなケア責任を引き受け、家事や家族の世話、介護、感情面のサポートなどを行っている、18歳未満の子ども」と定義される。「18歳未満」という年齢の線引きに厳格な意味があるわけではなく、子ども期にそうした家族のケアやサポートを行っているケースを、稿では、ヤングケアラーとして扱うこととする。 近年のヤングケアラーをめぐる支援の動きや、研究の

    ヤングケアラーに着目する「危うさ」と「契機」——日本社会における家族と社会のケアをめぐって/松村智史 - SYNODOS
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    akupiyo 2022/12/26
    重要な視点。“さらに、ヤングケアラーに焦点化することは、ヤングケアラーの背後にある、後述するような、日本社会の家族ケアのあり方や社会構造といった、問題の本質や根源を見えにくくする恐れもある。”
  • キリスト教右派から読み解くアメリカ政治/『熱狂する「神の国」アメリカ』著者、松本佐保氏インタビュー - SYNODOS

    かつて殺し合う関係にあったプロテスタントとカトリックが手を結び、アメリカ社会を保守化させていったが、現在、トランプ政権のもとでふたたび宗教右派が活気づいている。『熱狂する「神の国」アメリカ』著者、松佐保氏に、宗教と密接に絡み合うアメリカ政治とその歴史について伺った。(聞き手・構成/芹沢一也) ――日は「アメリカ政治と宗教」について、とくにキリスト教右派の視点から、いろいろと教えていただければと思います。最初に基的なことをお聞きしたいのですが、そもそもキリスト教はアメリカで、どのような歴史をたどったのでしょうか? アメリカ大陸への入植の歴史では、カトリックが先に16世紀に伝来しました。スペイン帝国がフロリダに、最初のカトリック教区を設立したんです。一方、16世紀に起こった宗教改革で英国国教会が誕生しましたが、教会を改革しようとするピューリタンが英国から宣教活動を目的に、メイフラワー号で

    キリスト教右派から読み解くアメリカ政治/『熱狂する「神の国」アメリカ』著者、松本佐保氏インタビュー - SYNODOS
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    akupiyo 2022/12/25
  • 対話プロジェクト「ドイツは話す」――ドイツ社会に提示されたひとつの処方箋/穂鷹知美 - SYNODOS

    もしもまだ会ったことがない人で、会う前から、その人の意見が自分の意見の対極にあるとわかっていたら、みなさんはその人に会いたいでしょうか。それとも、できることなら会いたくないと思うでしょうか。会うのを避けたいと思うとすれば、それはなぜでしょう。自分の意見と反対の人と会っていても、不快感や腹立たしさ、あるいは虚しさや不安を感じるだけで、なんの益にもならないと思うからでしょうか。一方、実際に、もしも正反対の意見の人に一対一で会って話をしてみると、印象は変わるのでしょうか。 昨年ヨーロッパでは、これを「もしも」の話に終わらせず、実際に意見の違う一般の人どうしが対話するという壮大なプロジェクトが、いくつかの国で実施されました。ドイツ語圏(ドイツ、オーストリア、スイス)では、約42000人が参加申し込みをし、実際に17500人近くの人が、意見の違う相手との対話を行いました。 なんの目的でこのようなプロ

    対話プロジェクト「ドイツは話す」――ドイツ社会に提示されたひとつの処方箋/穂鷹知美 - SYNODOS
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    akupiyo 2022/11/19
  • パートナーに求めるものは財産、若さ、知能、それとも家事能力?――男女同権がパートナー選びや社会にもたらす影響/穂鷹知美 - SYNODOS

    パートナーに求めるものは財産、若さ、知能、それとも家事能力?――男女同権がパートナー選びや社会にもたらす影響 穂鷹知美 異文化間コミュニケーション 国際 #「新しいリベラル」を構想するために みなさんがパートナー選びで重視するのはどんなことでしょう。財産、若さ、知能、容姿、それとも家事能力でしょうか。 近年、ドイツ語圏では、パートナー選びを社会の男女同権の進展と関連づけて説明する見解が、たびたびメディアで取り上げられます。男女同権は社会的な権利や枠組みですが、それがパートナー選びというきわめて個人的な問題、異性のどこに魅力を感じるかという生理的な問題に、当に関係しているのでしょうか。 今回は、この見解が広く注目されるきっかけとなった2015年に発表された論文(Zentner /Eagly, 2015)をもとに、パートナー選びの新しい傾向をご紹介してみたいと思います。 男女同権の進展度は国

    パートナーに求めるものは財産、若さ、知能、それとも家事能力?――男女同権がパートナー選びや社会にもたらす影響/穂鷹知美 - SYNODOS
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    akupiyo 2022/11/19
  • ヨーロッパの都市空間の現在――「灰色」から「緑」への潮流/穂鷹知美 - SYNODOS

    コロナと気候変動は、都市空間のありかたを再考するものとなっています。コロナはオープンスペースの重要性を再認識させるものでした。また、気候変動はヒートアイランドと相まって、命の危険を伴うほどの酷暑をもたらしています。他方で、日では都市再開発や公園の「活性化」のために、オープンスペースが変容していることが問題視されています。ネット署名サイトChange.orgには、複数の再開発反対の署名が立ち上がり、緑地・造園や環境アセスメントの研究者からも疑問の声があがっています。 シリーズ「都市のオープンスペースはどうあるべきか」では、海外の都市の動向に詳しい研究者のお話をうかがうことで、こうした日の現状を考えるためのヒントを得たいと思います。今回は、2022年9月、スイス在住の歴史研究者穂鷹知美さんに、ヨーロッパの視点や世界的な視座から、都市空間のありかたについてお話しいただきました(吉永明弘)。

    ヨーロッパの都市空間の現在――「灰色」から「緑」への潮流/穂鷹知美 - SYNODOS
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    akupiyo 2022/11/19
  • シングルマザーの貧困を労働から考える/中囿桐代 - SYNODOS

    はじめに コロナ禍において女性、シングルマザーの貧困が深刻化している。内閣府男女共同参画局コロナ下の女性への影響と課題に関する研究会は「報告書」の中で、「ひとり親世帯にはコロナの影響が厳しい形で表れていることから、特に、迅速にかつ手厚い支援を行なっていく必要」を指摘した。 しかし、コロナ以前から、多くのシングルマザーは「働いても貧困」の状態におかれている。厚労省「平成28年度 全国ひとり親家庭等調査結果報告」(以下、「調査結果」と表記)によれば81.8%が就労しており、これはOECDの平均65.7%よりも高い。しかし、厚労省「2019年 国民生活基礎調査の概況」によれば、大人が一人の子どものいる現役世帯(ひとり親家庭のことであるが、その約9割はシングルマザー)の貧困率は48.3%であるのに対し、大人が二人の世帯(二人親家庭)は11.2%である。圧倒的にシングルマザーの経済状況は厳しい。 筆

    シングルマザーの貧困を労働から考える/中囿桐代 - SYNODOS
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    akupiyo 2022/10/20
    “育児に時間を取られるからシングルマザーが非正規になるのではなく、日本の労働社会の側にシングルマザーを含む女性、あるいは家事や育児を担当する労働者を、正社員から排除しようとする論理が働いている”
  • 精神科病院のどこが問題なのか、どうやって変えるか/原昌平 - SYNODOS

    精神科病院というと、みなさんはどんなイメージを思い浮かべるだろう。傷ついて心を病んだ人が静かに療養する場所だろうか? ざわめく病棟に閉じ込められ、自由を奪われてしまう場所だろうか? 前者のような病棟も一部にはあるけれど、残念ながら、まだ後者が主流だと筆者はとらえている。 日の精神科医療の最大の問題は、入院患者があまりにも多いこと、そして患者の人権が守られていないことにある。暴力的に支配する悪徳病院は少なくなったものの、ここ十数年、強制入院、閉鎖病棟、身体拘束が増え、人権状況はむしろ悪くなっている。長期入院の解消もあまり進んでいない。患者の権利擁護システムの導入と入院ベッドの削減を急ぐ必要がある。 精神科の病院は、一般の病院とどこが違うのか。質的な違いは「集団管理」にあると筆者は考える。 精神病棟でも一般の病棟でも、一つの病棟は40~60床のことが多い。病棟の運営は主として看護職員が担う

    精神科病院のどこが問題なのか、どうやって変えるか/原昌平 - SYNODOS
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    akupiyo 2021/01/24
  • 考えたいのは「市民(有権者)の責任」――『「高齢ニッポン」をどう捉えるか』(勁草書房)/浜田陽太郎(著者) - SYNODOS

    2020.10.19 考えたいのは「市民(有権者)の責任」――『「高齢ニッポン」をどう捉えるか』(勁草書房) 浜田陽太郎(著者) #「新しいリベラル」を構想するために 「政治部のデスクからは「世の中は、20人が決めている。それを取材するのが政治部」とたたき込まれた。官邸に常駐する「政府首脳」に生活に密着した社会保障の現場を取材してきたと自己紹介すると、「ああ、そういうの、男の記者でもやるんだ」といわれたことを、今も鮮明に覚えている。 そこでは、社会保障の制度・政策は生活から切り離され、「権力闘争の材料」の一つとして扱われていた。」(書219ページ) このの中で、ひときわ思い入れの深い一節です。 「記者クラブ」という言葉を聞いたことがありますか。中央省庁などの役所に「記者会」などの看板を掲げた部屋があるのが普通です。多くの記者がそこに拠点に仕事をし、新聞やテレビで流れるニュースはここから

    考えたいのは「市民(有権者)の責任」――『「高齢ニッポン」をどう捉えるか』(勁草書房)/浜田陽太郎(著者) - SYNODOS
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    akupiyo 2021/01/15
    “官邸に常駐する「政府首脳」に生活に密着した社会保障の現場を取材してきたと自己紹介すると、「ああ、そういうの、男の記者でもやるんだ」…社会保障の制度・政策は生活から切り離され、「権力闘争の材料」"
  • 誤解だらけの「日米地位協定」/山本章子 - SYNODOS

    在日米軍が事故や犯罪を起こすとニュースに登場する日米地位協定。名称は聞いたことがあるけれど内容はよく知らない、という人が多いのではないでしょうか。まして、協定の条文そのものを見たことがある人は、そんなに多くはないでしょう。でも、どうも問題があるようだ、そう思っている人は少なくないはずです。 日米地位協定の問題が日全国で広く共有されるようになったのは、1995年以降のことです。意外と最近ですね。 きっかけは沖縄で起きた事件でした。米兵三人が沖縄の商店街で12歳の小学生一人を拉致し、人気のない海岸まで連れていき、レイプしたのです。三人は拘束されましたが、米軍が身柄を確保し、起訴するまでは日の警察に引き渡さないという態度をとります。米軍は沖縄県警による三人の取り調べにも非協力的でした。 日国内で起きた日人が被害者の犯罪で、どうして被疑者の身柄確保も通常の取り調べもできないのか。日米地位協

    誤解だらけの「日米地位協定」/山本章子 - SYNODOS
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    akupiyo 2020/05/19
    ホンモノの「在日特権」の話。
  • 日本に必要なのは「セカンドチャンス」――人口減を逆手に「眠れる人材」を生かすには?/『武器としての人口減社会』著者、村上由美子氏インタビュー - SYNODOS

    に必要なのは「セカンドチャンス」――人口減を逆手に「眠れる人材」を生かすには? 『武器としての人口減社会』著者、村上由美子氏インタビュー 情報 #新刊インタビュー#武器としての人口減社会 人口が減ってしまうと、日はもう終わりだ……そう思っていませんか? 『武器としての人口減社会』(光文社新書)は、経済協力開発機構(OECD)東京センター長である著者の村上由美子氏が、OECDの国際比較統計を用いながら、人口減を最大限に生かすための政策を提言している意欲的な一冊です。どのように人口減社会をチャンスに変えるのか、その重要なキーとなる日の眠れる人材はどこにいるのか、村上氏にお話をうかがいました。(聞き手・構成/山菜々子) ――人口減を扱ったの多くは悲観的なものですが、『武器としての人口減社会』は国際統計を比較しながら、「人口減」について現実的に向き合っただと感じました。 国際比較して

    日本に必要なのは「セカンドチャンス」――人口減を逆手に「眠れる人材」を生かすには?/『武器としての人口減社会』著者、村上由美子氏インタビュー - SYNODOS
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    akupiyo 2020/03/05
    "男女の労働参加率の差が50%解消すると日本のGDPの年平均成長率が1.5%まで増加...現状維持の場合より約20%もGDPが高くなる...一方で、2030年までに男女間の労働参加率が変化しない場合1.0%しか経済成長できない"
  • 母子世帯の居住貧困/葛西リサ - SYNODOS

    2019年1月、千葉県野田市において、8歳の女児が、実父に殺害されるという痛ましい事件が起こった。その後、母親は、殺人幇助(ほうじょ)の罪で逮捕された。 しかし、事情をよく知れば、母親は、父親(夫)のドメスティックバイオレンス(DV)について行政に相談した過去があり、その後、離婚、復縁した経緯があった。加えて、行政側は、父親から女児への虐待を早々にキャッチし、これを高リスクケースと判断していたにもかかわらず、最悪の事態を防ぐことはできなかった。 メディアは連日のように同事件を取り上げ、SNSなどでもこれに絡む情報が拡散され続けている。とくに、今回の事件では、児童虐待の背後にDVの可能性を示唆する報道が多かったことが特徴だった。民間シェルターの連合組織であるNPO法人全国シェルターネットも早々に声明を出し、「DVと虐待をひとつながりのものととらえ、女性と子どもを連動して守る支援システム」の必

    母子世帯の居住貧困/葛西リサ - SYNODOS
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    akupiyo 2020/02/17
    ”非常にリスキーな案件を、ソーシャルワークのスキルのない民間企業が救っている…住宅政策の無策が母子世帯をはじめとする多くの居住困難層を生み出し、…母子SHのような仕組みが存在する余地を作っている"
  • ミネラルウォーターと保育園/鈴木亘 - SYNODOS

    いま、ここに120円のペットボトルのミネラルウォーターがあります。今日もとても暑く、わたしはこのミネラルウォーターを120円で買えることに心から満足をしておりますし、他の人びともやはり満足して買ったに違いありません(そうでない人はそもそも買わないから)。 一方、この水を売っている企業も、やはり、利潤を上げて満足しているに違いません(利潤が上がっていなければ、そもそも企業が存続していないから)。これがわれわれの生きている資主義経済、もしくは市場経済というものであり、水の需要者(消費者)と供給者(販売企業)がともに、市場によるこの取引によって利益を上げて、効率的に社会が運営されています。 ところが、ここで与党の政治家達が、「たかが水に120円もの高い価格をつけるとはケシカラン。低所得者にとって120円は高すぎるではないか。水は生活にとって必需品であるし、低所得者等が安心して購入できるためにも

    ミネラルウォーターと保育園/鈴木亘 - SYNODOS
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    akupiyo 2020/01/16
  • ひきこもりはロスジェネ世代に多いのか――ロスジェネ仮説を検証する/井出草平 - SYNODOS

    朝日新聞がひきこもり40代が多いという趣旨の記事を出した(2019.11.19)。 ・ひきこもり、40代が最多 支援先は若年層が中心 https://www.asahi.com/articles/ASMB954RDMB9UUPI00C.html 最近、行政や新聞記者の人とひきこもり関係の話をすると、「ひきこもり40代が多いんですよね?」と話題になることが多かったので、気になっていたトピックである。 一部を引用しよう。 朝日新聞が47都道府県と20政令指定市にアンケート。32自治体が「実態調査がある」と答えた。 このうち17自治体は、民生委員などが地域で把握している当事者の数をまとめる形式で2013~19年に調査。詳細を取材に明らかにした16自治体のうち、14自治体で40代が最多だった。 また、16自治体すべてで40代以上の割合が30代以下より多く、今年2月現在で調査した長野県では年齢不

    ひきこもりはロスジェネ世代に多いのか――ロスジェネ仮説を検証する/井出草平 - SYNODOS
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    akupiyo 2019/12/13
    "民生委員調査で40代のひきこもりが多く発見される理由は、民生委員と40代のひきこもりの親が同世代だから…日本社会に根強く構造化された現象だと捉えるのが妥当"
  • なぜ、いま炭鉱なのか――「負の遺産」を超えて/嶋﨑尚子×熊谷博子 映画『作兵衛さんと日本を掘る』公開記念対談 - SYNODOS

    なぜ、いま炭鉱なのか――「負の遺産」を超えて 嶋﨑尚子×熊谷博子 映画『作兵衛さんと日を掘る』公開記念対談 文化 #作兵衛さんと日を掘る 2011年5月、炭坑画家・山作兵衛の遺した絵や日記など697点が、日国内では初めてユネスコ世界記憶遺産に認定されたことは記憶に新しい。自身炭坑夫だった彼が生涯に描いた絵は実に2000枚にのぼるといわれている。 山作兵衛の仕事は、いったい今に何を訴えかけようとしているのか。5月25日より上映が始まるドキュメンタリー映画『作兵衛さんと日を掘る』の公開を記念して、『炭鉱と「日の奇跡」』(青弓社)の共編著者である社会学者の嶋﨑尚子氏を迎え、作監督の熊谷博子氏と存分に語り合ってもらった。(取材・文 / 萩野亮) 山作兵衛氏 熊谷 『炭鉱と「日の奇跡」』を拝読しました。一般的には終わったと思われている炭鉱ですが、奥深い、今につながる新しい視点を感

    なぜ、いま炭鉱なのか――「負の遺産」を超えて/嶋﨑尚子×熊谷博子 映画『作兵衛さんと日本を掘る』公開記念対談 - SYNODOS
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    akupiyo 2019/10/27
  • 「小さな政府」という誤解/松尾匡:連載『リスク・責任・決定、そして自由!』 - SYNODOS

    この連載では、これまでの三十年ほど、世界中でみんなが「大きな誤解」をしてきたという話をします。 「誤解」というのは何かと言うと、「小さな政府」というスローガンのことです。こないだ亡くなったイギリスのサッチャーさんから始まって、小泉さんとかブッシュさんとか、このかんずっと、世界中でいろんな政権が追求してきましたよね。 最初はいま名前をあげた人たちなんかが、大きな企業が自由におカネもうけできるようにしよう、もっと競争を激しくしようということで、「小さな政府」の路線を進めました。「新自由主義」政策と呼ばれています。 これが、格差だとか貧困だとか、地域の人々の絆の崩壊だとか、金融危機だとかをもたらしたというわけで、今度は、イギリスのブレア政権とか、アメリカのクリントン政権だとかが、もう少しマイルドにした路線をとりました。新自由主義でも、これまでの福祉国家でもない、「第三の道」だとかと自称していたも

    「小さな政府」という誤解/松尾匡:連載『リスク・責任・決定、そして自由!』 - SYNODOS
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    akupiyo 2019/10/09
  • 掃除で、美しい日本人の心を育てる?/『掃除で心は磨けるのか』著者、杉原里美氏インタビュー - SYNODOS

    ――書はさまざまな場面で進む「教育の道徳化」の例を数多く取り上げています。一連の取材をはじめようと思ったきっかけを教えていただけますか。 私が社会部の教育担当になった後、下の子が公立小学校に入学しました。子ども自身が生活態度の目標を定めて自己評価するような活動があったり、「あいさつ運動」が驚くほど盛んだったりと、10歳以上離れた上の子のときと比べて、明らかに学校が変化していると感じたんです。 それはちょうど第二次安倍政権の下で、教育再生実行会議が道徳の教科化を打ち出すなど、教育政策が大きく動いていた頃です。こうした国の教育政策の方向性と、子どもの内面に介入するような活動や、親に宿題の丸付けをさせたりするような「家庭教育の強化」が進行している学校現場が連動しているのではないか、と思ったことがきっかけです。 取材成果は2017年に、「『教育再生』をたどって」と題した夕刊の連載10回にまとめま

    掃除で、美しい日本人の心を育てる?/『掃除で心は磨けるのか』著者、杉原里美氏インタビュー - SYNODOS
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    akupiyo 2019/09/24
    これがスーパーハイスクール指定など一部公立学校のエリート化が同時に起こった。一時期世田谷和田中の「世の中科」が流行ったが、エリート校だけで主体性を重視した先進国型の学びが取り入れられているでは?
  • 日本の公的扶助制度とセーフティネット――国際比較からみた特徴/埋橋孝文 - SYNODOS

    1.「最後の拠り所」としての公的扶助制度 公的扶助制度とは、「例外的な困窮に対処し貧窮を軽減しうるように、所得および資産の調査(ミーンズテスト)にもとづいて金銭給付を提供する制度」といわれる。それは「最後の拠り所」であって、わが国では生活保護制度が代表的な公的扶助制度である。この制度は次のような2つの性格をもっている。 第1に、年金や医療などの社会保険制度が、貧困を未然に予防するという役割を期待されているのに対して、公的扶助は「所得および資産の調査」を経たうえで給付される“事後的救済”(「救貧」)である。第2に、その財源が全額公費(税金)であること、このことが「所得および資産の調査」を行う根拠となっている。 稿では、筆者がこれまで発表してきた論文をもとに、日の公的扶助とセーフティネットが国際比較からみた場合にどのような特徴をもっているかを整理し、そこから導き出される政策的意味合いを述べ

    日本の公的扶助制度とセーフティネット――国際比較からみた特徴/埋橋孝文 - SYNODOS
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    akupiyo 2019/08/26
    "正規職労働者と生活保護受給者の『狭間』に多数存在する非正規労働者やワーキングプア層への所得保障措置が採られていない...比ゆ的にいえば、「安全ストッパー」のない「滑り台社会」のもつ危うさを示している。"
  • 増加する「非正規公務員」とはなにか?/上林陽治 - SYNODOS

    ――日は、非正規公務員問題に詳しい、上林陽治さんをお迎えし、お話を伺います。上林さん、こんにちは。 こんにちは。 ――不勉強で恐縮なんですが、公務員の世界にも非正規問題はあるのですか。 はい。地方自治体に勤務している職員の3人に1人は非正規公務員です。 2012年の総務省の統計で比較すると、最も身近な自治体である市区町村の正規公務員は約92万人(注1)、これに対し非正規公務員の人数は約40万人(注2)です。ここには任期6月未満や週勤務時間20時間未満の非正規公務員は含まれていませんから、実際はもっと多い。だから3人に1人。また正規公務員より非正規公務員の方が多い自治体も2012年には43団体あり、長野県の筑北村では役場職員の約7割が非正規公務員でした。 (注1)総務省「平成24年定員管理調査(平成24年4月1日現在)」 (注2)総務省「臨時・非常勤職員に関する調査結果について(平成24年

    増加する「非正規公務員」とはなにか?/上林陽治 - SYNODOS
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    akupiyo 2019/07/31
    "公共サービスの基幹的業務を担う存在…臨時職員、非常勤職員といわれる非正規公務員の大半は女性…男性正規公務員の2分の1から3分の1という、これほどまでの賃金格差は、雇用形態の差異を装った「間接差別」"
  • “子育て罰”を受ける国、日本のひとり親と貧困/桜井啓太 - SYNODOS

    ◇子どもの貧困は、大人の貧困である。 たいていの場合、子どもだけがひとり貧困になるわけではない。一緒に暮らす大人が贅沢な生活をしているのに、子どもを困窮させているのであれば、それは貧困問題ではなくネグレクトである。子どもの貧困は、子どもの親たちが貧しいからこそ生じている経済的問題である。 第一線の貧困研究者たちは、ずっと「子どもの貧困」における「罪のない子どもが貧困におかれている」という台詞の裏側に見え隠れする「大人の貧困は自己責任(罪)である」という価値に対して危惧を表明し続けてきた(注1)。 (注1)松伊智朗編(2017)『「子どもの貧困」を問いなおす:家族ジェンダーの視点から』法律文化社。編者の松は、「子どもの貧困」が貧困問題一般から切り離され、「家族責任」や「学習支援」に矮小化されることに明確な反対を示している。 どんな個人も、貧困のままに放置されるほどの罪などない。子どもであ

    “子育て罰”を受ける国、日本のひとり親と貧困/桜井啓太 - SYNODOS
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    akupiyo 2019/06/10
    これな。"‪労働や社会保障制度(家族政策含む)は、私たちの社会を映し出す鏡でもある。私たちはみなで共有する価値観以上の政治もシステムも持つことができない。‬"